JJYタイムコード発生器

by K.I

Index

概要
仕様検討
- ハードウェア検討
- PIC16F873の概要
回路構成
- 入出力端子
- 設定スイッチ
- 表示装置
- その他
タイムコード
参考資料
改訂履歴

概要

要求仕様は以下の通り

疑似的なJJYタイムコードを生成する。
基本信号であるマーカ、0、1のそれぞれの信号を連続して発生する。
被測定対象からの信号を入力して、スルーレート等の評価をしたい。

頼まれて作ったものだが、単純に決まったコードを出すだけなので、そのうちに任意のコードを出せるようにしたいなぁ。

仕様検討

1つのタイムコードは1分間で1bit/秒の約60bitで表されるもので、非常に低速だがコードは長く複雑なので、CPUによる制御が適当と思われる。もう少し具体的に、以下のような機能を想定してみた。

生成時刻の設定 →年月日時分設定、曜日は計算して自動設定
ランダム信号の発生 →乱数により0、1信号をランダムに生成（マーカは規定通り）
基本信号の連続発生 →マーカ、0、1の信号切替え
連続生成時には、被測定対象からの出力のデューティを求める
外部での観測の同期用に、零秒時を除きマーカを出力する。
高速モードでは、100倍の速度で出力する。

ハードウェア検討

設定項目は真面目にやるとかなり多いので、仮にDIPスイッチ等を使用するとそれだけでハードウェアが大きくなってしまう。

16行2桁のLCDに設定内容を表示し、カーソルキーで項目選択することで、回路規模を小さくし、且つ簡単なタクトスイッチのみで複雑な設定を可能にする。

シリアルインターフェース →今回は使用しないが、将来的にPCへの接続プログラムを作成して複雑な解析を行なう事を考慮。
比較的低速であり入出力の端子数は少ないが、LCD表示器の接続やタクトスイッチは複数必要になることから、 MicroChipの 16F873を使用する。

PIC16F873の概要

28pin DIPパッケージ → 非常に小型である（ SOPもある）
RA×6、RB×8、RC×8の計22ポートのI/Oを使用可能 → ポート数が比較的多い
UART、I2C、MicroWire等のインターフェース内蔵 → 将来的にシリアルI/O追加可能
10bit A/Dコンバータ内蔵 → 今回は未使用
128byteEEPROM内蔵 → 設定内容の記録に利用可能
ICSP（In Circuit Serial Programming）対応

回路構成

入出力端子

出力

40kHz連続出力 →停止可能
タイムコード出力
マーカ出力 →同期用

入力

タイムコード入力 →比較用

設定スイッチ

リセット
カーソル移動キー（上下左右）
設定キー
キャンセルキー

表示装置

LCD表示器（16文字×２行）
LED１個

その他

5V電源 →LCD表示器の動作電圧の制約、PICは３V〜６V
シリアルインターフェース

最終的には ePLL書き込み器の入力表示回路と同様の構成¹とした。ただ、ICSPをする場合にPB6,PB7に接続されている液晶モジュールを外さなくても良いように、1KΩの抵抗を２個所追加した。

回路図

¹敢えて変える必要もないし、デバッグには同回路が使えるから。

タイムコード

タイムコードは、以下のように1ビット/1秒で表される1分間のデータである。

毎時15分,45分以外のタイムコード

sec	signal	sec	signal	sec	signal	sec	signal	sec	signal	sec	signal
0	M	10	'0'	20	'0'	30	8day	40	SU2	50	week4
1	40min	11	'0'	21	'0'	31	4day	41	80year	51	week2
2	20min	12	20hour	22	200day	32	2day	42	40year	52	week1
3	10min	13	10hour	23	100day	33	1day	43	20year	53	LS1
4	'0'	14	'0'	24	'0'	34	'0'	44	10year	54	LS2
5	8min	15	8hour	25	80day	35	'0'	45	8year	55	'0'
6	4min	16	4hour	26	40day	36	parity1	46	4year	56	'0'
7	2min	17	2hour	27	20day	37	parity2	47	2year	57	'0'
8	1min	18	1hour	28	10day	38	SU1	48	1year	58	'0'
9	P1	19	P2	29	P3	39	P4	49	P5	59	P6

毎時15分,45分のタイムコード

sec	signal	sec	signal	sec	signal	sec	signal	sec	signal	sec	signal
0	M	10	'0'	20	'0'	30	8day	40	ＪＪＹ	50	ST1
1	40min	11	'0'	21	'0'	31	4day	41	呼	51	ST2
2	20min	12	20hour	22	200day	32	2day	42	び	52	ST3
3	10min	13	10hour	23	100day	33	1day	43	出	53	ST4
4	'0'	14	'0'	24	'0'	34	'0'	44	し	54	ST5
5	8min	15	8hour	25	80day	35	'0'	45	符	55	ST6
6	4min	16	4hour	26	40day	36	parity1	46	号	56	'0'
7	2min	17	2hour	27	20day	37	parity2	47	２	57	'0'
8	1min	18	1hour	28	10day	38	'0'	48	回	58	'0'
9	P1	19	P2	29	P3	39	P4	49	P5	59	P6

JJYのタイムコードは、40kHz或は60kHzの搬送波に振幅変調で1秒あたり以下の時間出力される。→それ以外の時間も10%のパワーで出力されている。

0.2秒 → マーカ
0.5秒 → '1'
0.8秒 → '0'

曜日は000〜110までがそれぞれ日曜〜土曜を表す。
パリティPA1,PA2はそれぞれ時と分に対応している。

PA1 = (20h+10h+8h+4h+2h+1h) mod 2
PA2 = (40m+20m+10m+8m+4m+2m+1m) mod 2

その他、日本標準時プロジェクトによるタイムコードの詳細

参考資料

MicroChip社 PIC16F873データシート →PICはデバイスにより細かい相違があるため、必須。
CQ出版 ECB_No.4_PICマイコンを使おう →16F84についての基本的な記述が中心だが、サンプル等が参考になる。
CQ出版 PICマイコン活用ハンドブック →PICの内部回路の詳細の解説が分かり易い。
Webサイト電気工作の実験室 →PICの基礎から応用まで詳しく紹介されており、特に開発環境についての解説は非常に参考になる。
Webサイト通信総合研究所 →標準電波JJYタイムコードに関する資料

改訂履歴

[030616] 仕様の作成開始

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