L/Cメーターキットを作る
by K.I
2004/08/26
- コイルを自作しようと思ったけど、インダクタンスを測るのって意外と難しい。
- テスターで測れるやつもあるけど、mH以上じゃないと測れなかったり、精度も全然悪い。
- 本格的な、LCRメータはメチャ高いし。
- それで、いろいろ調べていたら、「L/C Meter IIB」 というキットを見つけた。
- 説明を読む限り、精度もそれなりにありそうだ。
- ちゃんとしたケースに入ったキットっていうのも良いよね。
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- キットが届いた。ケースは思ったよりちょっと大きめだけど、しっかりしている。
- 部品数も少ないし、簡単に組み立てられそうだ。
- 説明書は英語だけど、図解が多いので分かり易い。
- それにしても向こうさんのLCDは、ピン配置が一直線のやつがポピュラーなのかな。
- PSoCのEval1キットに付いてたLCDと同じだ。。
- キットではコネクタを加工するように書いてあったけど、面倒だったので手持ちのヘッダピンに交換した。
- LCD表示器の下の電解コンデンサは、倒して取り付けないとケースに入らなくなってしまう。
- スイッチの取付けが、随分詳しく書いてあって、何故だろと思っていたんだけど。
- 何気なく取り付けたら、曲がって付けてしまったことに気が付いた。
- それで詳しく書いてあったのね。。半田吸取器で付け直すのに手間を食った。。。
- R3に2.2pFのセラミックを並列に付けるような指示の紙が入ってた。
- あとコイルを取り付ける時、なぜか巻線の外側をGND側に繋いだ方が良いらしい。
やっぱり、ケースに入ってると良いなぁ。。
- 電源を入れて、暫くするとモード選択になる。
- ここで、Lxを押せばインダクタンス、Cxを押せばキャパシタンスを測定することが出来る。
- 測定する前にゼロ調整を行う。
- キャパシタンスは開放、インダクタンスはショートして、ZEROボタンを押すだけ。
- 付属品の中に、測定用の治具が入っていた。
- とりあえずヘッダピン用のソケットを付ける。
- プリント基板の両面をショートするように半田付けしたけど、これで良いんだろうか?
- 少なくとも、発振周波数は少しづつシフトしているようだ。
- でも手の影響とかが無いように慎重にゼロ調整して、すぐに測定すれば安定して測定出来そうだ。
- 1.5uFのフイルムコンデンサを測ってみる→1.439uF
- 0.1uF積層セラミックコンデンサは→0.1047uF
- 15pFのセラミックコンデンサ→15.8〜15.9pF
- pF単位ぐらいまでは、けっこう安定して測れる感じだ。
- でも手を近づけただけで変動するし、治具によっても精度にかなり影響がありそう。
鰐口クリップも付いている。大きな部品はこれで測った方が良さそうだ。
- 適当に巻いたコイル、計算値は780uH→814.3uH
- 秋月のゲルマラジオに付いてた、バーアンテナ→820.8uH
ゼロ調整するので、治具の分の浮遊インピーダンスはキャンセル出来るようだ。
- 実際のところ、ちゃんとした測定器を持っていないので正確かどうか分からない。
- でも測定値は安定してるし、ゼロ調整しながら何度か測定することで、感覚的には結構正確に測れてそうな気がする。
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- 「L/C Meter IIB」を注文して、すぐに Strawberry-linuxのL/Cメータキットを見つけた。
- こちらの方も殆ど同じ構成のようだ。ケースは無いけど、その分安い。
- IIB注文したんだから買う意味ないんだけど、つい注文してしまう。あぁ無駄遣い。。。
- 折角だからケースに入れたいなぁ。IIBはちょっとデカいのでちっちゃい入れ物にしよう。
- 基板の大きさを測って、タカチのGH-135にぎりぎり入るか入らないかぐらいだ。
- ケースの高さはちょっと足りなさそうなので、LCDは連結ソケットを使おう。
- ICソケット無しなら何とかなるだろう。で、GH-135を注文した。
- 実際に比べてみると、基板の大きさがちょっと大きい。。
- まず基板の端を2mm程カットする→パターンがギリギリなので切断しないように。
- ケースのネジ止め部も、基板の角の部分を削る。→これでケースにピッタリ入った。
- LCDの基板の左上の角もケースのネジ止め部に干渉する→これもパターンギリギリだがパターン切断ギリギリまで削って何とか。。
→タクトスイッチも底上げしてケースの高さに合わせた
- あれ?基準のコンデンサの高さが異様に高い。入るかなぁ→ギリギリだ。。
- このコンデンサの高さは14mm。これ以上はケースに入らない。
- もしかすると、LCDはそのまま入るかも。→14.2mm。。ちょっとオーバーか。。。
- でもヘッダピンの根元をニッパで削れば何とかなるかも。。→13.8mm!これで行けるか?
- LCDの上もヘッダソケットの足が飛び出さないようにニッパで削る。
- まぁ、ケース買っちゃったので、無理に入れたけど、もっと大きなケース買えば良かった。。
- いろいろ削って、やっとケースに収めることが出来た。
→実際、ちょっと穴開け位置がずれちゃったんだけど、誤魔化して撮影。。
- 端子は、手持ちのジョンソンターミナルを接続してみた。
- うーん、やっぱりケースに入れると、なかなか良い感じだ。
- 早速、測ってみよう→起動スイッチを押しっぱなしにすると、基準キャパシタ、インダクタの値を表示する
- 2.2uFのポリエチレンコンデンサを測ってみる→36468pF。。って、えぇぇっ!
- 全然違う。組み立て失敗したかも。。
- 半田付けを念入りにチェックしたけど、異常は見付けられない。。
回路図が付いてないのは、ちょっと良くないなー。チェック出来ないよ〜1
あらためて説明書を見直すと、測定範囲があるらしい。
- キャパシタは、1pF〜0.1uF
- インダクタは、0.1uH〜10mH
これで良いのか。。。ちょっとホッとした。
- ポリバリコンを測ってみる→5pF〜265pF →ちゃんと測れてるみたいだ。
結局、けっこう簡単に完成したね。。。
- でもタカチのGH-135は大きさがぎりぎりで、ちょっと基板を収めるのに苦労した。
- 楽にケースに入れるならば、RG-145とかSGM-135とかの方が良いかも(未確認)
1あっても出来ないと思うけどね。
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折角、2つのLCメータを作ったので比較してみよう。
公称値 | L/C Meter IIB | StrawBerry | P-10 |
10pF | 10.26pF | 9.77pF | 0.10nF |
100pF | 96.34pF | 96.36pF | 0.23nF |
0.01uF | 9918pF | 10058pF | 10.21nF |
0.1uF | 0.1018uF | 104081pF | 103.2nF |
1.5uF | 1.437uF | 74xxxpF | 1.495uF |
2.2uF | 2.054uF | 37xxxpF | 2.136uF |
ポリバリコン | 5.7p〜264pF | 6〜266pF | 0.09n〜0.44nF |
- StrawBerryのLCメータは、やはり0.1uFぐらいまでしか測れない。
- IIBも、数uF以上になると精度が落ちているようだ。
- それ以下の範囲では、両方ともかなり精度良く測れているようだ。
- 特にIIBは、キャリブレーションで、ちゃんとゼロ調整出来るので細かい数値まで取れそうな感じがする。
- 秋月で売ってるP-10も意外にそれなりの性能だ。
- ただキャリブレーション出来ないので、オープン状態での約0.08nFの分を差し引いて値を読む必要がある。
公称値 | L/C Meter IIB | StrawBerry |
100uH | 97.63uH | 95.93uH |
130uH | 127.7uH | 127.78uH |
220uH | 220.7uH | 217.3uH |
330uH | 313.4uH | 318.6uH |
バーアンテナ | 821uH | 867.2uH |
空芯コイル | 815.7uH | 806.8uH |
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- キャパシタンスは数pF〜1uF以下。インダクタンスは数uH〜数mHぐらいはかなりの精度で測定できていると思う。
- やはりIIBが一番使い易い感じがする。
- キャリブレーションで0にセットするのがやり易い。
- 測定値も比較的安定している気がするので安心感がある。
- ケース付きなので作るのは簡単、すぐに使えるし使い易い。
- StrawBerryのやつも、精度は同程度ありそう。
- 手動キャリブレーションで、きれいに0にならないのがちょっと気になる。→まぁ実際はそんなに問題にならないんだけど。
- 値段の安さと小型であることは大きな利点だ。
- でも基板剥き出しなので、ケースに入れた方が良い
- P-10の精度が意外と良い(キャパシタンスだけだけど)と感じた。
あくまで感想です。これ以外にちゃんとした測定器を持ってないので。。。
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