簡易データ送受信チップ2仕様

Index

• 概要
• ハードウェア仕様
  • 送信回路（TXチップ）
  • 受信回路（RXチップ）
  • 機能の改良・追加について
• プロトコル
  • テストモードについて
  • 4B/5B変換
  • NRZI変調
  • 変調周波数について
• ソフトウェア開発
• 回路例
• 注意点
• 改訂履歴

概要

• 特徴
• 内蔵CR発振（約4MHz）によりクロック入力は不要で、外付け部品が少ない。
• 電源電圧範囲2.0〜5.5V
• 待機時の消費電流が少ない。（SLEEP状態）
• ピン数が少ないので、4bitデータ送受信回路とした。
• NRZI変調によるデータ転送のため、データ極性は考えなくて良い。
• 簡易的な自動ボーレート調整。
• 前回は測定が目的だったが、今回はデータ送信の確実性を上げることを目的とした。

ハードウェア仕様

• 8pin DIPパッケージで、非常に小型
• 内蔵のCR発振回路を持ち約4MHzのクロックを生成可能→1/4クロックの外部出力も可能
• SLEEPモードで消費電流の少ない待機状態にして、入力ピン（全ピン可能）の電圧変化によるWake-up起動が可能
• 電源電圧範囲2.0〜5.5Vと、低電圧で動作可能になった
• プログラムメモリがフラッシュになり書換え可能になった→1Writeは石を消費してしまう
• プログラムから書換え可能なEEPROM内蔵→前回の設定を保存できる
• 割り込み機能あり→有難いが、Wake-upを割り込み対応に書換える必要が生じる
• スタックが2段だったのもが8段に拡張されている→2段ではトリッキーなプログラムになってしまうので、これは非常に有難い
• レジスタ数が大幅に増加→逆に設定する項目が増え、またレジスタのバンク切替えが必要になる
• 12C509では、CALL可能な範囲は0〜FF¹、GOTO可能範囲は0〜1FFだったが、12F629ではGOTO,CALLともに0〜3FFの直接アクセスが可能になった²

送信回路（TXチップ）

• 初期設定が終了するとスリープモードに入る。
• 起動後に、送信イネーブルTxEをH状態にすると、Wake-upしてから以下の手順で送信する。→単送信モード
• 最初にidle信号、続けてstart信号を送信する。
• 4bitデータを4B/5B変換して、5bitとしてからNRZI変調で送信する。
• 最後にend信号を送信する。
• 送信イネーブルが約1秒以上H状態の場合、連続送信モードになる。
• 連続送信モードでは、単送信モードの手順を連続して繰り返し送信する。
• 送信動作の終了、或いは繰り返し送信モードで送信イネーブルがH状態になった場合は、またスリープ状態に入る。
• ボーレートは約1200bps（CR発振のため、不正確）
• 起動時にTxEがH状態の場合は、テストモードになる。

• 送信回路のファームウェア

受信回路（RXチップ）

• 電源投入、或はRxDに信号が入ることによるWake-upで、起動してボーレート調整に入る。RxDに信号が無ければ、スリープする。
• 最初のIdle信号（11111）を利用してボーレートの調整を行なう。
• START信号（11000）の連続した信号０を３回受信した時点で、受信動作を開始する。
• 5bitのNRZI信号を受け、5B/4B変換して4bitデータとして受信する。
• 制御信号以外の受信データ（4bit）OUT0〜3に出力する。
• idle信号を受信したら、ボーレート調整に戻る。
• RxEは同期信号出力³。
• イリーガルなコードの場合、或は約0.75秒無信号の場合⁴はOUT0〜3とRxEをL状態に戻してスリープ状態に入る。
• RxDが１秒以上連続してHレベルであった場合は、前回の同期クロック幅を保存するようにした。→次回の初期値とする

• 受信回路のファームウェア

機能の改良・追加について

• 同期クロックの検出に関しての改良
• 連続モードでも１byte毎にヘッダを付加するようにしたので、同期が失われても再同期が可能になるはず。
• 同期クロック検出用カウント範囲を拡大したので、クロック周波数の違いに対しての追従性が向上したはず。
• 頻度テーブルを用いた同期クロック検出にしたので、雑音による同期クロックずれが少なくなったはず。
• 送信チップに、テストモード追加。
• 受信チップに、同期クロック幅の保存機能を追加。

プロトコル

• idle信号（11111）→ 受信部はこれでボーレート調整を行なう
• Start信号（11000）→ データ送信を開始を示す（3bitの無変化状態を検出する）
• Data信号 → 4bitデータを4B/5B変換して5bitコードとして送信する
• End信号（01101）→ データ送信の終了を示す

• 最後がHで終わる場合には、１ボーレートクロック後にLに落とす⁵。

テストモードについて

• テストモード４の信号を伝送路を通してRXチップで受信し、D0〜D3出力をRxEをトリガにしてオシロスコープで観測すれば、アイパターンもどきが見れる（と思う）。

4B/5B変換

NRZI変調

• データの極性を考慮する必要が無い。
• マンチェスタ符号等に比べて、転送速度を速くできる。
• 反面、全て0となるデータの場合にデータ変化が無いために同期出来なくなるので、

• 送信部では0が6回続いたら1を追加し、受信部では0が6回続いたら1を削除する
• 4B/5B変換等の符合化、或いはスクランブルや圧縮を行なってからデータを送信する。

変調周波数について

• 4回 → 150Hz
• 3回 → 200Hz
• 2回 → 300Hz
• 1回 → 600Hz

• この考察は、あまり自信がない。

ソフトウェア開発

• MICROCHIP社純正のMPLABのアセンブラを使用。
• 標準で、トレース可能なデバッガが附属しているので、開発し易い。但し、割り込み動作やWake-UP等はシュミレート出来ない。

回路例

注意点

• CR発振のため、連続動作時にはボーレートのズレ⁶が発生して、受信エラーになる可能性がある。
• 雑音等によるデータエラーの発生への対応は、ほとんどしていない。
• 立ち上がり、立ち下がりの判定は、2us間隔で3回チェックする。
• エラー発生時は、スリープに入るだけ。

改訂履歴

• [030623] 仕様改定
• プロセッサ変更、送受信チップの仕様を変更したので、仕様書を新たに作成。