OLIMEXで基板を作る
by K.I
2004/04/xx
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- EAGLEを使って、基板データを作成して、OLIMEXに基板を発注してみた。
- OLIMEXへの基板の発注は、 ここを参考にした。というか、ここは丁寧に書かれているのでそれ以上の説明は必要ないが、リンクが消えるとヤバいので、要点だけ記録しておく。
OLIMEXで、作成可能な基板の仕様(DSS)を以下に示す。
- 2層基板 160×100mm(ハーフ・ユーロ・カード・サイズ)で、 $26+$8(送料)
- ガラスエポキシ(FR-4,t1.5mm)→t0.8mm,2.6mmは+$5
- 部品面のみ、シルク印刷可能
- 規定の大きさ以内であれば、複数のデータを面付けしてくれる→自分で面付けする必要は無い。複数のbrdファイルを送れば良い
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- ドリルサイズ、レイヤについては、OLIMEX標準を使用する。
- シルク印刷用のTEXTはVecterフォントを使用して、10mil幅にする。
- 後から変更するのは面倒なので、最初にライブラリを作成する。
- ドリルサイズは、以下のものだけを使用する。→それ以外はツール当たり+$1.05
- ドリル穴500まで(超過すると+$2.6、1000以上は+$5.2)
mm | mil | 備考 |
0.7 | 28 | Viaのサイズ、部品用としては小さ過ぎる |
0.9 | 35 | DIPや通常の抵抗等には丁度良い |
1.0 | 39 | |
1.1 | 43 | ヘッダピン等は、このぐらいが良い |
1.3 | 51 | |
1.5 | 59 | |
2.1 | 83 | |
3.3 | 130 | ネジ穴や、板状の端子に使う |
以下のOLIMEX標準レイヤだけを使用する。
No | Name | 説明 |
1 | Top | 部品面配線 |
16 | Bottom | 裏面配線 |
17 | Pads | 部品の端子 |
18 | Vias | Viaホール |
20 | Dimension | 基板外形線 |
21 | tPlace | シルク部品形状 |
25 | tNames | シルク部品名 |
29 | tStop | 部品面ソルダマスク |
30 | bStop | 裏面ソルダマスク |
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ライブラリが出来てしまえば、回路図の作成は結構簡単である。一応注意点。
- 回路図で見ためは接続されているように見えて、実際は繋がっていない場合がある。
- 必ず部品を動かして、端子に配線がフライラインでついてくることを確認する。
- パスコンなどはとりあえずまとめて描いておけば良い。
- 基板取り付け用の穴も、必要に応じて、PADで描いて配線しておく。
- 回路図を作成した後に、ライブラリを変更した場合は、Library-Update Allで更新される。→ボード作成後の場合は、brdファイルも必ずOpenしておくこと。
回路図の作成が終ったら、Boardボタンを押せばbrdファイルが作成される。
- classコマンドを入力すると、デフォルトの配線幅の設定が表示される。
- 必要に応じて、新規のクラスを設定(例えばPower)して、Changeコマンドで必要な配線のクラスを設定しておく。→電源関係の配線だけ太くする等が出来る
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- まず、標準のドリルサイズ、表示レイヤを設定する。 →setdrill.scr
部品の配置は自分で行なう必要があるが、配線はオートルータが使える。以下、注意点。
- schファイルと、brdファイルは、必ず両方開いて作業すること(重要)→この状態ならば修正が自動的に反映され対応もとれているが、一度対応がとれなくなると、オートルータが正常に使えなくなってしまう。
- フリー版の場合、brdファイルの修正範囲は、ハーフユーロサイズに限られるので注意
回路図からBoardボタンを押すと、基板の外形線が自動的にハーフユーロサイズで描かれる。でも、このサイズで作ることはないので、最初に消してから書き直すと良い。
- 基板の外形線を、Dimentionレイヤで入力する。
- OLIMEXのDSSは160×100mmなので、この大きさか、それを分割したサイズにすると良い。
- 分割の場合は、切りしろが10mil以上必要になるようだ。→規定が片側か両側か分からないので、0.5mmとっておけば多分間違いないだろう。
自分が頼んだ時のサイズを例として示す。(Aを1枚、Bを2枚、Cを2枚、作成した)
A. mod9501.brd size 100mm x 79.5mm
B. RCDprog.brd size 49.5mm x 39.5mm
C. seripara.brd size 49.5mm x 39.5mm
- Boardボタンを押すと、適当に部品が並んだ状態になっているので、部品を基板の内部に移動する。→フリー版の場合は、ハーフユーロサイズ外に部品を置く事は(一時的にでも)出来ないので注意
- とりあえず回路図の並び方に合わせて移動しておけば良い。
- 部品名を指定して移動したい場合は、例えば 'move c1'とタイプすれば良い
- autoボタンを押すと、自動配線が行なわれる。
- 必ず、DRCファイルを指定して、OLIMEXの配線ルールが守られるようにする →10mils.dru
- 100%配線出来ない場合は、配線出来なかった部分の部品配置を変更してから、オートルータを繰り返して行なって100%配線になるようにする。
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ベタアースの入力→これは、基板外形線入力時にやっておいても良い。
- POLYGONで、GNDのベタパターンを作成する。
- POLYGONの大きさは基板より大きく入れる→デザインルールで自動的に基板より内側に入る
- Top,Bottomのレイヤで入力する。後で捕まえ易いように、少しずらして置くと良い。
- NameをGNDに設定する→classをPowerにする
- ドリルサイズの設定 →run drillconfig
- 表示レイヤの設定
- ドリルの穴数が500個以内かチェック →run count
- 最後に、表裏が分かるように各レイヤに文字を入れる →setabc.scr
- brdファイルとreadmeファイルを、1つのzipファイルにまとめてOlimexへ送付する。
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- OLIMEXへの注文は、以下のような日程でした。
- 040405 メールでデータ送付
- 040406 OlimexよりPOのメール
- 040407 注文のFAX
- 040419 基板到着
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- OLIMEX_FAN →ここで初めてOLIMEXを知った(実際、何年も手を出せずにいたけれど...でも、ここらへんから電気工作への復帰が始まった気がするなぁ)
- EAGLE_for_OLIMEX →OLIMEXへ発注する際の注意点や、必要なスクリプトが公開されている。非常に役に立った
- EAGLEによるプリントパターン自動作成 →使い方が詳しく解説されている
- トランジスタ技術(2003年3〜6月号)EAGLEの使い方 →いろいろと参考になった。この記事でOLIMEX利用者が爆発的に増えたんじゃなかろうか?
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