GigaSt Ver.5を作る
by K.I
2009/07/20〜2009/07/30
Index
概要
GigaStのスペアナキット
GigaSt Ver.5
組み立て
ケースの穴あけ
配線
動かしてみよう!
TV放送
無信号状態の記録
トラッキング・ジェネレータの使い方
スルーで接続
フラット化する
分岐コネクタに変更
同軸を繋いでみる
ショートすると
感想
概要
GigaStのスペアナキット
GigaSt
の青山さんが開発してキットを配布されている
スペアナキットのVer.5
が出ました。
doggieさんのブログ
で紹介されていたので、欲しかったのですが、どうしようかな〜と思っているうちに予約終了に。。
実は、前バージョンのGigaStのスペアナキットは、以前の配布の時に分けて頂き、製作しました。
GigaSt_Ver.3(4GHzスペアナ)
GigaSt_Ver.4(7GHzスペアナ)
スペクトラムアナライザは、ちゃんとしたものを買うとトンデモナイ値段です。
アマチュアでは、ナカナカ手が出ません
1
。
しかし、GigaStのスペアナキットのお陰で、夢の測定器だったスペアナを手にすることが出来ました。
GigaSt Ver.5
今回は、USB接続になったので、SCAN速度が速い、シリアルポートが無くても大丈夫。
USBバスパワーになっているので、ACアダプタが必要ありません。
周波数範囲が12GHzまで拡張されている
2
とか、
SPANが12GHzまで広げられる
3
とか、
その他多くの機能拡張されてるんだけど、自分的には、最初の2つが魅力的でした。
まぁそれでも、1〜2月の配布の際は見送り。。
やっぱり欲しいかもと思いはじめて、5月1日に再配布されていたので今度は申し込みました。
大人気なので、しばらくは連絡が来るのを楽しみに、予約待ち〜〜
7月16日に、青山さんから連絡があり、振り込んだら7月18日にはもう届きました。
→USBシリアルインターフェース、GigaSt本体、そしてNF測定基板の3点のみ
これは、キットというより完成品ですね〜。ちょっと寂しい気もしますが。。
本体は、GigaSt4と同様に基板をシールドにしたモジュールになっている。
さらに小型化されて、消費電流も減っています。それで、USBバス駆動に出来たんですね。
1
それでも、持ってる人は居ますが。。。
2
TGは基本的には4GHzまで、特性は悪いが7GHzまで。
3
但し、実際はバンドで分かれてるので、繋ぎ目がある。
[top]
組み立て
ケースは、テイシンのTC-113。GigaStのVer.4を作った時に余計に買っておいたもの。
Ver.4より小型化してるので、USBシリアルモジュールを入れても余裕がある。
ケースの穴あけ
V5の本体基板は、TC-113の場合は7mmのスペーサで浮かせると丁度真ん中にコネクタが来るみたいだ。
V4に比べて、V5は長めのSMAレセプタクルなので、そのままで十分外に出る。現物合わせで6mmの穴を開ける。
真ん中はLEDの穴。久々に工作したので、ついイキナリ6mmのドリルを使ってしまった。
始めは3mm程度で開けてから、大きいドリルにしていかないとズレてしまうんだったっけ。
工作勘が狂ってるなぁ。。SMAの穴の方は慎重に開けました。
USBシリアルインターフェースは、左奥にすると、コネクタ位置が気に入らないので、
コネクタが向かって右奥になるように配置。10mmのスペーサで浮かす感じに。
3mmのドリルで2個穴を開けて、ヤスリで現物合わせでレセプタクルの形に。
NF基板の電源は、基板に合わせてBNCコネクタにしました。あとは手持ちのトグルスイッチ。
一通り、穴あけが終わったところ。
→これは電子工作じゃなくてタダの工作だなぁ。。
配線
というほどでは無いですが、GigaSt_V5の
回路図
を見ながら接続。
本体基板上の電源パターンを切断して、電源スイッチを付けて、
LEDに抵抗を通して、スイッチを通った後の電源に繋いで、
NF基板用の電源を、背面に付けたBNCレセプタクルまで接続。
シリアルインターフェースは、5ピンヘッダになっているので、ピンヘッダのメスで接続する。
GNDが2ピンあるので、実質上4本繋げばOK!高さがギリギリだったなぁ。7mmのスペーサでも良かったかな?
使われているピンヘッダが、手持ちのメスより短めだけど、まぁなんとか接続できてるみたいなんで良しとする。
海の日でお休みだったので、ここまで一気にやりました。
ショートしてないか、テスターで調べて、LEDが点灯することを確認する。
まぁ大丈夫だろう。でもすぐに電源は切っておく。
疲れたので、チェックは、また今度。。
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動かしてみよう!
→完成!ちょっとシンプルすぎるかなぁ。
まずは、最新のコントロール用のPCアプリをダウンロードします。
GigaSt_v5i
アプリケーションは、ネットワーク上に置いたらうまく動かなかったので、
ローカルのディスク上のディレクトリに置きました。
次に、メールに添付されている個別補正データを、GigaStのアプリのあるディレクトリにコピー
自分の場合は、af418.txt。元々入っているgigast.txtをgigast_org.txtにリネームして取っておく。
それで、個別補正データをコピーしてから、gigast.txtという名前にします。
起動時にこのファイルが自動的に読み込まれます。
自分の場合は、FT232RLは良く使うので、FTDIのドライバはインストール済みだけど、
わかんない場合は、
VCPドライバ
をダウンロードしておきましょう。
その場合、GigaSt5とPCをUSBコネクタで接続して、ドライバのインストールをしろと言われたら、
ダウンロードしておいたファイルの場所を、指定すれば良い。
FTDIのドライバって何故か、もう一回インストールするように言うことがあるけど、その時はもう一度同じ事繰り返す。
TV放送
最近、受信状態が悪くて、まともに見れないんだけど、とりあえずTVアンテナ(ブースター付き)を接続してみる。
→なんか寂しいなぁ
→GigaStV4で確認。やっぱり見えないなぁ。
→イメージキャンセルをOFFすると、いろいろ出てくるが。。。
GigaSt4に比べて、少し寂しい気がしたが、Im-CancelをOFFにするといろいろ出てくるので、
GigaSt自体のスプリアスのようなものかもしれないなぁ。
まともなレベルの奴は、アナログのUHF31ぐらいか。。
デジタル放送は、アナログに比べると元々レベルが低いのかなぁ。この状態だとよく分からない。
Ver.4と見比べた感じでは、スペアナの動作的には、どうも大丈夫みたいだ。
いずれにせよ、やはりTVが全然見れないはずだよ
4
なぁ。。。
まぁ、今は見てないから良いんだけどね〜。
結局、うちの電波状態が悪すぎて、あまり良く見れませんでした。。。
無信号状態の記録
一応、無信号状態を記録しておく。
BAND0-1
BAND1-2
BAND2-3
BAND3-4
BAND4-7
BAND7-12
Ver.5では、全体の連続掃引が出来るので、それも記録しておく。
→Center6GHz、SPAN12GHz!
バンドの繋ぎ目があるけど、全体で見れるのは便利だ。
SCANが速くなっているので、全体でも10秒掛かっていない。
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最近、周りの木がアンテナより高くなってほとんど受信出来なくなりました。
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トラッキング・ジェネレータの使い方
以前のバージョンを試した時には、いろいろフィルタがあったんだけど、
借り物だったから返しちゃったので、適当な測定できるものが無い。どうしようかなぁ。。
試しに同軸フィルタ(同軸トラップというのかな)を測ってみよう。
分岐のコネクタが必要だけど、SMAの分岐は持っていないので、BNCコネクタのケーブルでやることにする。
スルーで接続
まず、TG出力とSP入力を直結する。
ここでは、分岐ではなくストレートのコネクタを使う。
CenterとSPANを設定したら、ModeでTGをONにする
→Center2GHz、SPAN4GHzに設定
トラッキング・ジェネレータの出力が見えている。
この例では、4つのBANDに跨ってSCANしているので、BANDの境目が見える。
フラット化する
この状態では、TGとスペアナの特性が邪魔なので、
FlatのチェックBOXをチェックして、フラット化する。
これでも良いんだけど、0dBでフラットになッて見づらいので、
波形のポジションを、左側のスクロールバーで、-10dBの位置にずらしてから、
改めてフラット化しなおす。
で、さらにPauseをチェックして、SCANを停止し、
Holdをチェックして、現在の状態を画面上に残すようにする。
BANDを跨ってSCAN出来るようになったので、ちゃんとフラット化すれば、
すごい広い範囲が見れるようになったな〜。
分岐コネクタに変更
同軸を分岐させるために、スルーのコネクタを分岐のコネクタに変更する。
分岐コネクタに変更した状態で、ちょっと見てみる。PAUSEを解除してSCANすればよい。
分岐コネクタ自体がトラップとして働いているようだ。
同軸を繋いでみる
同軸線をつないでみる。約30cmの3C-FV。GigaSt3用に作った75Ωのケーブルだけど。
同軸フィルタの特性がみえる。4GHz/10.5=約381MHzで繰り返しになっている。
波長=光速/周波数=300000000/381000000≒0.787m
1/4波長≒0.197mだけど、同軸ケーブル内では電波も減速するから、
0.2/0.3=0.67で、短縮率が0.67ぐらいって事かなぁ。
同軸トラップは、1/4波長のケーブルの端がオープンなので、
逆側はショート状態になってしまうからその周波数を通さないという理屈
5
だったと思う。
今度は、約53cmの同軸線をつなぐ。これは3D-2Vだからちょっと違うかも。
本来は同じケーブル使わないと比較にならないんだけど。。
同軸フィルタの特性がみえる。4GHz/21.5=約186MHz間隔だ
波長=光速/周波数=300000000/186000000≒1.613m
1/4波長≒0.403m、短縮率は0.403/0.53≒0.76、ちょっと怪しいが。
まぁ、コネクタが付いてるから単純には計算出来ないけど、それなりに測れていると思う。
特性が目に見えるから、カット&トライで調整することは可能だな〜。
試しに、短い変換コネクタを付けてみる。これも極く短い同軸のように働くはずだ。
ざっと見て、約1.55GHzの処にノッチが出来る。1.55×2=約3.11GHzかな。
波長=光速/周波数=300000000/3100000000≒0.0965
1/4波長≒0.024m、多分、数cmの同軸が繋がっているようになってるんだろうなぁ。
ショートすると
ちなみに、オープンじゃなくて、ショートするとどうなるのか見てみる。
分岐した53cmの同軸の先を、オープンとショートさせたものを比較。(見やすいようにSPANを400MHzにした)
コネクタでショートしてるので、ちょっとズレてるけど、
通過する周波数と遮断する周波数が逆になっている。
つまり、1/4波長の片方の端がオープンなら、逆端がショートになり、
ショートなら、逆端はオープンになるということなのか。
5
あまり良く分かっていないので、ちょっと勉強しないと。。
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感想
いろいろ簡単に実験できるのは本当に楽しい。
電源がUSBバスパワーになったので、簡単に接続できるのが嬉しい。
ハードウェアの機能は大満足ですが、アプリの方は、画面表示が少し乱れることがあるのがちょっと不満かも。
まぁ、これは画面のハードコピーを残しておきたい時だけの問題なんだけど。
高周波の知識はあまり無いですが、またいろいろ実験してみよう。
手頃な価格でキットを配布しているGigaStの青山さんに、改めて感謝です。
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